友禅染の下絵支える「青花紙」 洗い流せば消えるけど、技は消さない

 友禅染の下絵を描く際に絵の具として使う「青花紙(あおばながみ)」。滋賀県草津市の特産品だ。大正時代に約500軒あった生産農家は、化学染料が普及した影響で数えるほどになった。有志による保存会のメンバーが、地域の宝を受け継ごうと活動している。(八百板一平)

 青花紙は、ツユクサ科のアオバナの汁を和紙に塗って乾燥させたもの。小さく切って水に浸すと、青い色素が染み出る。筆に含ませ、絵の具として使う。

 洗い流せば色が落ちるため、友禅染や絞り染めの下絵を描くのに用いられてきた。

 アオバナの花が咲くのは夏。青花紙作りの季節でもある。

 8月初旬、滋賀県草津市青地町で、アオバナの花摘みが行われていた。地元有志でつくる「草津青花紙製造技術保存会」のメンバーが、数センチほどの青い花びらを次々に摘み、かごに収めていく。

 「一つ一つ、花を見ながら、摘むのが大事です」と、会長を務める中村雅幸さん(68)。指先は花の汁で青くなっている。

 花は早朝に咲き、昼ごろには…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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