合言葉は「2mをあそぼう」 社会的距離を体感して

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出時に人と人の間を2メートル空けて「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」を保とうという動きが広がっている。その2メートルを、家の中でもできる遊びを通じて子どもに体感してもらおうという試みが始まった。合言葉は「2メートルをあそぼう!」。

 子どもの遊びの環境を整えるプレーリーダーで、保育士の堀内亮輔さん(31)は「みんながつながり続けるために、今だからできる家遊びを探した」と話す。「体操のお兄さん」で知られる小林よしひささん、日本レクリエーション協会の小山亮二さんと協力してプロジェクトを立ち上げた。

 堀内さんらのフェイスブックの動画で紹介しているのが、新聞紙を橋に見立てた遊びだ。新聞紙の横幅は約40センチ。その長さを利用して、3枚の新聞紙を横方向に折って並べると2メートルの橋ができる。そこから落ちないように後ろ歩きしたり、ポリ袋を蹴ったり。対象は未就学児や小学校低学年。その後の語りかけに、3人の思いを込めた。

 「みんなだったら、どうやってあそぶ?」

 堀内さんが意図を話す。「遊びやスポーツは大人が与えるものでなく、元々は子どもたちのもの。子どもたちとともに作るプロジェクトにしたい。だから、あえて余白を残し、たたき台の段階で公開した」

 動画をアップすると、後日、小学校1年生の子どもから「簡単すぎる」という声が届いた。その子が考えたのは「橋の上で身支度をしていく」という遊びだ。洋服やカバン、メガネや靴下を置き、その場で着替えていく。実際に再現してみると、靴下は片足ずつ履かなければならず、堀内さんでも難しかった。

 堀内さんは、遊びやスポーツには「できる」だけでなく「関わる」「作る」「知る」といった面白がり方がある、と説く。コロナ禍に関わらず、遊び場の減少によって子どもの体力が低下しているという問題意識が根底にある。「できる、だけを考えると、体を動かすことが苦手な子どもの入り口が狭くなってしまう。様々な遊び方を面白がることで、輝く子どもが増えることを知ってほしい」

 堀内さんのフェイスブックは、https://www.facebook.com/ryosuke.horiuchi.9(野村周平)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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