名工大発の簡易住宅 被災地で「仮設住宅、来週つくってよ」から奮起

 台風や地震など多くの自然災害に見舞われる日本。災害時に被災者に少しでも快適な避難生活を送ってほしい――。名古屋工業大の北川啓介教授(47・建築設計)がそうした思いから開発した「インスタントハウス」(簡易住宅)が国内外で注目を集めている。

 円錐(えんすい)形の屋根の形をしたテントシートを送風機で膨らませ、内側から断熱材を吹き付けて固め、厚さ10センチほどの壁をつくる。広さ20平方メートルサイズのものなら、3人がかりで数時間で完成。値段は1平方メートル10万円ほどだ。

 素材が軽いため、耐震性に優れ、断熱性も高いことから夏は涼しく冬は暖かい。使い終わった後も、カッターなどの刃物で内側の発泡ウレタンを削れば、10分ほどで解体できる。

 開発のきっかけは2011年の東日本大震災だった。同年4月に宮城県石巻市の避難所へ環境調査に訪れた際、現地の子どもたちからこう言われた。

 「なんで仮設住宅ができるのに半年もかかるの。大学の先生なら来週にでもつくってよ」

 胸を打たれた。

 「4月の被災地はまだまだ寒…

この記事は会員記事です。残り860文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment