和歌山、チケットショップ少ないのはなぜ?(産経新聞)

 2月に大阪から赴任し、和歌山県田辺市など県南部の担当になった。

 着任して間もなく、田辺市中心部の紀伊田辺駅周辺を歩いていて気になったことがある。大阪の主要駅前によくあるチケットショップ(金券ショップ)が見当たらないのだ。鉄道の回数券などをバラ売りして切符を安く購入できる。

 駅前の観光センターで職員にチケットショップが近くにあるか尋ねたところ、駅周辺にはないという回答だった。

 チケットショップ業者で構成する「日本チケット商協同組合」のホームページで、近畿2府4県の加盟店を検索すると、大阪が40店以上、京都が30店近く、兵庫、奈良、滋賀が10店前後出てくるのに対し、和歌山はゼロ。加盟は任意で、すべてのショップを網羅しているわけではない。県内でも実際は和歌山市内に数店あることが確認できたが、店舗数が少ないことは間違いないとみられる。

 なぜなのか。チケットショップは鉄道の切符が主力商品で、協同組合の深尾一広理事長は「(大阪との鉄道網が比較的整備された)和歌山市は別として、和歌山県南部では日常的に電車を利用せず、運営が難しいのではないか」と指摘する。

 大阪は駅やスーパーに行く手軽な乗り物の自転車があふれているが、県南部は完全な車社会だ。店や施設の駐車場は混んでいるものの、自転車はほとんど止まっていない。

 紀伊田辺駅の時刻表を見ると、平日の日中、特急を除くと、大阪方面で1時間に1本で、新宮方面はさらに少ない。

 車に乗れる大人はそれでもいい。だが、運転免許がない高校生たちはどうするのか。田辺市職員に聞くと、「通学は電車ですよ。1本遅れたら次に来るまで待つしかない」。

 チケットショップに話を戻すと、ほかに加盟店がゼロだったのは大分、島根、福井、長野、山梨各県だった。交通事情と店舗数は関係しているようだ。(張英壽)

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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