営業秘密を中国企業に提供し報酬か ガラスびん大手元社員ら2人逮捕

宮島昌英

 会社の営業秘密を不正に持ち出したとして、兵庫県警は5日、ガラスびん大手の日本山村硝子(同県尼崎市)元社員の小鷹瑞貴(みずき)容疑者(57)=同県芦屋市=と妻で会社役員の青佳(せいか)容疑者(51)=同=を不正競争防止法違反(営業秘密の領得)の疑いで逮捕し、発表した。

 瑞貴容疑者は「前の話なので覚えていない」、青佳容疑者は「夫の仕事を手伝ったことはない」などといずれも容疑を否認しているという。

 生活経済課によると、逮捕容疑は2016年6月、同社のサーバーにアクセスし、営業秘密である軽量びんの成形技術に関するプログラムを瑞貴容疑者の個人メールアドレスに送信し、複製したというもの。瑞貴容疑者は当時、主に中国でガラスびん技術関連の営業や通訳に携わる係長級の社員だった。

 青佳容疑者の会社の口座に16~21年、中国のガラスメーカーから計約1億8960万円の入金があり、県警は営業秘密を提供した報酬だった可能性があるとみている。

 日本山村硝子は、同社でしか製造できないはずの超軽量ガラスびんを中国のメーカーが製造しているとして、社内調査を実施。瑞貴容疑者を22年11月に懲戒解雇し、今年に入って県警に相談していた。

 同社のウェブサイトによると、同社はガラスびんの生産で業界シェアトップ。

 同社は5日午後、元社員の逮捕を受けてコメントを発表した。持ち出されたのは製造技術に関する情報で、個人情報や取引先の情報は含まれないとした上で、「営業秘密の管理体制を一層強化し、再発防止に向けて取り組む」などとしている。(宮島昌英)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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