国立博物館が観覧料値上げへ 多言語対応など解説充実

 国立文化財機構は30日、東京・京都・奈良の国立博物館3館について、平常展の観覧料金を4月から値上げすると発表した。東京国立博物館(東博)は一般料金で380円値上げとなる1千円に、京都国立博物館と奈良国立博物館は同180円値上げとなる700円に改定する。

 大学生料金も対象で、東京は410円から500円に、京都と奈良は260円から350円に値上げ。70歳以上のシニアと高校生以下と18歳未満は無料のまま。新聞社などと共催する特別展は一般1600~1700円程度で、いまも個別に設定している。

 また、奈良文化財研究所の飛鳥資料館も一般350円(現在は270円)、大学生200円(同130円)に値上げする。九州国立博物館は検討中という。

 東博は現在、国宝・重要文化財の美術工芸品の約1割を収蔵し、寄贈などで所蔵品は増え続けている。来場者数も増えており、そのうち半数以上が外国人で多言語対応も含めた展示解説の充実が急務という。同機構によると、現在の料金では来館者1人あたりの直接的なランニングコストも賄えず、このままでは文化財を保存したり修理したりする役割が圧迫されかねないという。自主財源を増やすために外部有識者の意見を聴いて検討し、2006年以来14年ぶりの全面的な見直しに踏み切ったという。(上田真由美)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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