国際芸術祭の「あいちトリエンナーレ」 いったい何?

いちからわかる! あいちトリエンナーレ始まるね

 Q 8月1日に愛知県で「あいちトリエンナーレ」という大きな催しが始まるそうだね。トリエンナーレっていったい何?

 A 「3年ごと」を意味するイタリア語で、3年に1度開く国際芸術祭のことだよ。世界各地で開かれていて、日本では「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」などがある。2年ごとだとビエンナーレで、イタリアの「ベネチア・ビエンナーレ」が有名だ。

 Q あいちトリエンナーレの規模はどれくらい?

 A 国内では最大規模。4回目の今年は、現代美術や舞台芸術など国内外から90組以上の作家が参加する。名古屋市と豊田市の各所が会場となって、美術館だけでなく商店街など街中でも作品が見られるんだ。

 Q 今回のテーマは「情の時代」だそうだね?

 A 芸術監督でジャーナリストの津田大介さんが考えた。漢字の「情」には、感情、本当の姿、なさけといった意味がある。人類が直面している問題の原因は情にあるけれど、それを打ち破るのも情だとしている。「情によって情を飼いならす技」こそ本来のアートだとして、「この世界に存在するあらゆるものを取り上げられるアートが持つ力で、問題解決の糸口を探りたい」と語っているよ。

 Q 参加する作家は男女がほぼ半々なんだって?

 A 津田さんは医学部入試で女子受験生が不利な扱いを受けた問題をきっかけに、美術関連の男女比を調べた。主要な美術大学・芸術大学の入学者数や美術館の学芸員数は女性が多いのに、教員や館長は圧倒的に男性が多かった。それで「まだまだ男性優位の美術界に一石投じたい」と考えたそうだ。

 Q ほかの国際芸術祭ではどうなっているの?

 A 開催中のベネチア・ビエンナーレの企画展示部門でも男女比がほぼ同じになった。津田さんは世界的な潮流になるとみているよ。(佐藤剛志)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment