園児の腕引っ張り脱臼させる 5件の不適切保育で社福法人に改善指導

抜井規泰

 保育園の保育士が園児の腕を引っ張って脱臼させるなど不適切な行為があったとして、東京都江戸川区は、私立認可保育園「ほほえみ保育園」(同区松島1丁目)を運営する社会福祉法人「千葉学園」(埼玉県三郷市)に対して、児童福祉法に基づく改善指導を行ったと8日に発表した。

 同区によると、2月24日、保護者から区に「保育園で子どもが保育士に腕を引っ張られ、帰宅後に痛みを訴えるので受診したところ左ひじの脱臼がわかった」という通報があった。区は同27日に特別指導検査を行い、保育士ら23人から聴取。その結果、この脱臼のほか、食事の遅い園児を壁に向かせて1人で食べさせたり、運動会の練習で注意されて泣いた園児の腕をつかんで廊下に出したりするなど、5件の不適切な保育を確認したという。

 区や園によると、5件にはいずれも30代の女性保育士1人が関わっていた。区の聞き取りに対して、この保育士は「言うことを聞かないので腕を引っ張った」などと説明。2月24日から休職しているという。

 区によると、今回判明した5件とは別に、同園では昨年3月に「園内から怒鳴り声が聞こえる」といった通報が近隣住民からあった。区は昨年3、4月に計2回、区の保育士が園を訪問し、子どもの気持ちに寄り添った保育をするよう指導。ただ7月には、「子どもがトイレに閉じ込められた」といった相談が別の保護者から区に寄せられ、再度指導したこともあったという。

 同園は取材に「本当に申し訳ありません。2度とこのようなことのないようにしていきます」と話した。(抜井規泰)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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