墨書で弔う震災犠牲者 月命日の祈り、和尚の「本分」

【動画】東日本大震災犠牲者の墨書が並ぶ荘厳寺。月命日には一人ひとりの名前を読み上げている=井手さゆり撮影

 岩手県陸前高田市の荘厳寺(しょうごんじ)の壁一面に、東日本大震災の犠牲者の名が並ぶ。県内を中心に4747人。住職の高橋月麿さん(75)が追悼の意を込めて半紙に墨書した。

 「東日本大震災犠牲者の霊――」。2月11日午前6時すぎ。夜明け前の本堂で、高橋さんは一人ひとりの名を読み上げはじめた。休憩を入れつつ、読み終えたのは午後2時過ぎ。そして地震発生時刻の午後2時46分に経を上げながら鐘を突き、海に向かって合掌した。「どなたさんでも、1人も落とさないように拝ませてもらっている。和尚の本分だと思っている」。月命日の日課だ。

【連載】色 想う

2011年3月11日、真っ黒な津波が押し寄せ、街は灰色と化しました。目に映る色は同じでも、心に焼き付く色はそれぞれ違います。11年の想(おも)いを「色」に込めて伝えます。

 寺は気仙川の河口から約4キ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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