変わらぬ面影と喪失感 一家5人死傷から8年「飲酒運転なくしたい」

 北海道砂川市で一家5人が死傷した飲酒ひき逃げ事故は、6日で発生から8年を迎える。事故が起きた6月最初の土曜日は、亡くなった砂川高校3年生の永桶(ながおけ)恵さん(当時17)の同級生と恩師にとって「約束の日」。今年も集まれる人が慰霊に訪れた事故現場近くには、思い出の赤いカーネーションが凜(りん)として咲いていた。

 3日、永桶さんの1、2年時の担任だった小田島数幸さん(62)と同級生ら計7人は事故現場で手を合わせた。「生徒を失うのは耐えられない悲しみだった」と小田島さんは振り返る。

 永桶さんがソフトテニス部とアルバイトを両立しながら、朝早く登校して勉強していた姿が忘れられない。成績は学年トップクラス。誰からも好かれた。

 2年のクラス替えの後、小田島さんは教室で赤いカーネーションを育てることを提案した。一番率先して水やりをしていたのが永桶さんだった。

 事故後、小田島さんは現場近くに鉢植えを供えた。「恵へ 教室のと同じ色のカーネーションだよ」と手書きのメッセージを添えた。冬は持ち帰り、植えなおしながら毎年供えてきた。消えかけたメッセージは何度も上書きした。

 「事故は風化していくかもしれない」と小田島さん。「でも、17歳だった恵の面影は変わらない。大事な人を失った私たちの思いも変わらない」

 同級生の原田玲於(れお)さん(25)は昨年、建設会社を辞めて独立した。恵さんに「みんな変わらず元気にやっているよ」と報告した。

 小田島さんと同級生たちの思いは一緒だ。

 「飲酒運転をなくしたい。その重大さを忘れないでほしい」(上保晃平)

 砂川5人死傷飲酒ひき逃げ事故 2015年6月6日夜、北海道砂川市の国道12号で、飲酒後に飲みなおすために男2人=いずれも危険運転致死傷罪などで懲役23年=が、それぞれ車で速度を競い合うように運転。赤信号を無視して時速100キロ超で交差点に突入し、北海道歌志内(うたしない)市の永桶弘一さん(当時44)一家が乗る車に衝突した。車から投げ出された長男(当時16)は一方の男の車に約1・4キロ引きずられた。一家の4人が死亡、次女が重傷を負った。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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