夢と引き換え「差別に声上げねば」 聖火走者辞退の男性

 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言に抗議し、福島県田村市都路町の会社経営坪倉新治さん(57)は聖火リレーのランナーを辞退した。東日本大震災と原発事故で被災した地元を元気づけようと応募したが、「『自分の夢』と引き換えに、声を上げていかないといけないと思った」と話す。

 坪倉さんは森会長の発言だけでなく、森氏の発言を受けたボランティア辞退の動きを「瞬間的」(自民党の二階俊博幹事長)と述べるなど身内を擁護するような周囲の発言も納得できなかった。9日に組織委から森会長の発言を謝罪するメールが届くと、「女性への差別はこれを機に変えていかねばなりません。私のような声を国際社会へ発信していただきたい」と返信し、辞退を伝えた。

 自宅は東京電力福島第一原発から西に22キロの山あいにある。10年前の原発事故の際は消防団員として沿岸部から車で避難する住民の誘導に駆け回った。事故後も地元に住み続け、体が不自由なお年寄りなどの見守り活動を続けた。

 坪倉さんが住む都路地区の一部…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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