大手企業の冬のボーナスが史上最高に。20~30代に「景気が良くなった」実感はないけれど(BUSINESS INSIDER JAPAN)

冬ボーナスは奨学金に消える

「時計とか買いたいものはありますけど、何も買わないと思います」

都内の有名ITベンチャーで営業として働くリュウイチさん(25)の冬のボーナスは約40万円。年収も450万円ほどで、25~29歳の平均給与の326万円(国税庁)を大きく上回る額ではあるが、リュウイチさんは浮かない顔だ。

「奨学金を返さなければならないんです。普段は毎月数万円を返してますけど、ボーナス時期は10万円単位で飛んでいきます。いままでに貯めたお金も、地元で使う車代や奨学金に消えていたので、ほとんど貯金もないですし」

リュウイチさんは昨年までバイトとして働いていたが、今年同じ会社で晴れて正社員に。今回が初めてもらえる高額ボーナスだ。

待遇は良くなったが、仕事はさらに厳しくなった。毎日平均して午前9時から午後11時頃まで働いており、土日もほぼ稼働。「自分は特別多くもらえているとは思うけれど、労働環境に見合う対価をもらっているかはわからない」とボヤく。

数年前に宮崎県から上京してきたリュウイチさん。地元には、年収200万円台の友人も多く、「ボーナスが史上最高額」のニュースからは縁遠い人ばかりだ。

「『東京に行けばそれだけもらえるの?』って言われることも多いですけど、そんなことは絶対ないと思う。みんな夢を見すぎなんじゃないかな」

月15万円あれば生きていけますよね

そもそも、冬ボーナスとは無縁の生活を送っている人も多い。

「退職の前に読むサイト」 編集部が、社会人217人を対象に、ボーナスの支給額を尋ねるアンケートを実施したところ、ボーナスの支給はないと回答した人も2割近くいた。

ユウスケさん(29)は、大学を卒業してからいまに到るまで、ボーナスを受け取ったことがない。手がけてきた仕事は、派遣労働やバイトなどが主で、現在の手取りは23万円ほど。

「結婚する気も子どもを持つ予定もないので、貯金をする意味もないかなと。しばらく前までは実家暮らしだったので、月15万円あれば生きていけますしね」

現在は彼女と同棲して、毎月5万円の家賃を負担している。

貯金は「毎月1~2万円できるかな、くらい」だというが、そのことに不安や焦りはない。「お金よりも必要なのはスキル」だと考え、キャリアアップが望める仕事を探している最中だ。

「自分以外の人の責務を負っているなら、貯金は必要かな。バイト先で『結婚したいな~』と言ってる人もいますけど、だったら貯金しなよ、って思ってしまいますね(笑)」


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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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