大阪の拳銃強奪 場当たり的か周到か 謎残る行動(産経新聞)

 大阪府吹田市の大阪府警吹田署千里山交番前で16日早朝、同署の古瀬鈴之佑(こせ・すずのすけ)巡査(26)を襲い、拳銃を奪ったとして逮捕された飯森(いいもり)裕次郎容疑者(33)。これまでの捜査では、計画的に犯行に及んだ可能性が浮かんでいる。だが、事件後の行動には不可解な面も。用意周到なのか、場当たり的か。事件当日の飯森容疑者の足取りをたどってみた。(小松大騎)

飯森裕次郎容疑者の小学生時代の卒業文集

 夜明け間もない阪急千里線関大前駅のホーム…〔1〕。

 電車待ちの人はまばらだ。飯森容疑者はここの公衆電話から虚偽の110番通報をしたとみられるが、男性会社員(32)は「公衆電話を使っている人は見たことがない」。

 110番があったのは午前5時28分。現場交番のある千里山駅は隣だが、日曜の次の電車は42分で犯行時間帯に間に合わない。徒歩で現場へ向かった。

 線路沿いの道を北に約800メートル。人通りはほとんどなく、早足で約5分、交番…〔2〕が見えてきた。事件当時は110番を受け、勤務していた3人のうち2人がすでに出動。古瀬巡査は1人で現場に向かおうとするところだったとみられる。

 飯森容疑者は虚偽通報でこうした状況を作り出そうとした疑いもある。ただ、全員一緒に出動することもあり、事件時のような状況になるとはかぎらない。狙いは何だったのか。

 午前6時ごろ、現場の北西約350メートルの住宅街…〔3〕。 この時間帯に、複数の住民が大きな破裂音が1回するのを聞いている。奪われた拳銃は1発発射された形跡があった。

 現場からは徒歩で3分ほど。犯行の後、すぐに遠くに逃げず、早朝の閑静な住宅街を徘徊(はいかい)。そのうえ拳銃を撃ったとすれば、逃走中の人間とは思えない大胆な行動と感じた。

 その後、飯森容疑者は約1・5キロ西の北大阪急行緑地公園駅方面へいったん行った後、再び阪急千里線の駅まで戻ったとみられる。この間、最長で3時間。道中は犬の散歩をする人も多い。加えて当時はすでに府警が緊急配備をかけており、捜査車両も行き交っていたとみられ、人目が気になったはずだ。

 千里山駅から電車に乗り、北千里駅…〔4〕へ。

 阪急千里線の北の終点でその先に乗り継ぐ電車はない。南へ行けば、ターミナル駅の梅田などから神戸や京都方面へ行くことも可能。途中で大阪モノレールに乗り換えれば、大阪(伊丹)空港へ行くこともできる。

 午前9時すぎ、飯森容疑者は駅前にある商業施設「イオン北千里店」で、ジャンパーなどを購入。店内には各フロアに防犯カメラが設置されており、家族連れの姿も。血の付着した服を着替えるのは冷静にもみえるが、計画的犯行であればなぜ着替えを用意していなかったのか。この後すぐ、不審に思った店員は府警に通報している。

 駅から隣の箕面市へ。3キロ以上の上り坂を歩き、同市内のコンビニエンスストアに…〔5〕。

 道中、なぜ飯森容疑者が現場から北上したのか、との疑問が何度も頭を過ぎった。

 飯森容疑者は吹田市に居住歴があり、この辺りの土地勘もあったはず。山を目指した理由は分からないが、飯森容疑者は途中のホームセンターで虫よけ剤を購入している。長期間、山中に潜伏しようとしていたのか。そんなことを考え、息を切らしながら山へと入っていった。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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