大雪で車1千台が立ち往生、搬送者も 食料や毛布を配布

 師走の大雪が17日、北日本から西日本の日本海側で続き、各地に混乱をもたらした。新潟県の高速道路では約1千台の車が動けなくなり、救急搬送された人も。復旧の見通しが立たない中、現場では巻き込まれた人たちへの食料配布などが行われた。

 「雪の壁に阻まれて、本線上の状態は全くわからない。いつまでこのままなのか分からず歯がゆい」。関越自動車道上り線の塩沢石打サービスエリア(SA、新潟県南魚沼市)で働く40代男性は17日午後4時半ごろ、電話取材にそう話した。

 この時間帯のSA内には大型トラックが20台ほど停車し、朝から止まったままの車も。立ち寄ったドライバーらにはおにぎりとお茶を配った。「今日だけで50人くらいに配った。本線上を歩いてきたと話す人もいた」という。

 SA内には、多いところで1・5メートルほどの雪が積もっているという。「地元出身だが、12月の雪でここまで降ったことは記憶にない。いつ復旧するのかも全く情報がなく、どうすればいいのか……」と話した。

 NEXCO東日本は立ち往生している車を重機で移動させたり、除雪を続けたりした。また、関越道や一時通行止めとなった上信越道のサービスエリアなどで、動けない車の運転手らにおにぎりやパン、簡易トイレを提供。社員十数人が路上を歩いて食料や毛布などの配布もした。

 南魚沼市消防本部によると、17日午後4時前の時点で、関越道で立ち往生する車から「いつ復旧するのか」「燃料が切れそう」などの通報が数十件寄せられた。体調不調を訴える内容も数件あったという。同日午前には、立ち往生した車内の30代女性から「呼吸が苦しい」と通報があった。女性は南魚沼市内の病院に救急搬送されたという。

 中部電力パワーグリッド(名古屋市)は17日、岐阜県内の高さ約67~85メートルの送電鉄塔7基が損傷したと発表した。ワイヤの下部を走る東海道新幹線や在来線の一部区間で徐行運転をしたが、電力の供給に支障は生じていない。中部電力管内で積雪が原因で鉄塔が折れ曲がる被害が生じるのは初めてという。

 気象庁によると、18日夜から20日にかけて再び東北から北陸にかけての日本海側で大雪となるおそれがある。17日までに積雪が1メートルを越えた地域もある状況でもあり、同庁は交通障害への警戒やなだれへの注意を呼びかけている。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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