天皇陛下の地方訪問、再開の判断難しく 令和流の象徴像、続く模索

 天皇陛下が即位してから1日で3年を迎えた。即位後1年を待たずに新型コロナが流行して活動が制限され、オンラインを通じた活動が今も続く。各地に足を運び、国民に寄り添う機会が見通せないなか、「象徴の務め」をどう実践し、発信するのか。模索が続いている。(多田晃子)

 大型のモニターが置かれた皇居・御所。陛下は皇后さまと並び、モニター越しの高校生に「動画を作る上で苦労されたのはどんなことですか」と問いかけた。

 熊本市で4月23日に開幕した「第4回アジア・太平洋水サミット」に天皇、皇后両陛下はオンラインで出席。水問題の研究がライフワークの陛下は記念講演を行った。高校生らとの懇談時間は予定の倍近くに及び、熊本地震からの復旧状況を説明した大西一史市長には「今一番大きな課題はどういうことでしょうか」などと質問した。

 代替わりで陛下は2019年5月1日に即位。だがコロナ禍で行事や式典の中止・延期が相次いだことから、オンラインによる活動が20年8月に導入された。コロナに対応する病院の視察で医師らと交流したほか、記録的豪雨に見舞われた熊本県の被災者らを見舞い、東日本大震災の被災3県の被災者らと交流した。

 陛下はオンラインの活用について、今年2月の誕生日に先立つ会見で、複数の場所にいる人々と同時に会い、通常では訪問が難しい離島や中山間地域などの人々とも比較的容易に交流できる利点や可能性を挙げ、「有効な手段」と言及。状況に応じた形で引き続き活用したい意向を示した。

「存在感希薄になりかねない」

 陛下は、全国各地を巡り、国…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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