失敗だった「にじみ」を逆手に人気復活 注染の手ぬぐい

ナカニ代表取締役 中尾雄二さん(61)

 「注染」と書いて「ちゅうせん」と読む。何層にも折り重ねた生地に染料を直接注いで染める大阪発祥の技法。11月には大阪の注染製品が「浪華本染め」の名で国の伝統的工芸品に指定された。ただ、堺市の染色工場「ナカニ」が送り出す注染手ぬぐいの人気ブランド「にじゆら」は、明るい色とグラデーション、今の暮らしになじむ図柄で、伝統的イメージとは少し離れている。なぜ、旧来のものづくりから一歩踏み出そうとしたのか。

売れへんものでもいいですか

 「このままじゃ、先がない」。注染職人だった父が創業した手ぬぐいの染色工場を継ぎ、26年前に代表になった。だが行き詰まっていく感覚は年ごとに強まった。仕事は委託加工がほとんど。問屋からの注文通りに染め、期日を守って納める繰り返し。工賃は低迷、ものづくりの手応えはなく、誇りも抱きにくい仕事には若い職人が集まらない。手ぬぐい自体、販促やあいさつで配る程度で、暮らしでの存在感は薄れていた。

 活路は何か。10年以上の模索…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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