女性は「男性に観られる」存在か? ゲリラ・ガールズがばらまく警告

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緒方江美/アフリーダ・オー・ブラート

 「裸にならなければ女性は美術館には入れない?」。渋谷パルコに3月、ゴリラマスク姿の裸婦が問いかけるショーウィンドーが登場しました。美術業界における女性は芸術家として評価されず、「男性に観(み)られる客体」と位置づけられる状況に皮肉を込めた一文です。

【連載】VIVA LA VIDA!

昼は展覧会などの進行を担うアートマネジャー、深夜0時からはドラァグクイーン。二つの顔を持つ緒方江美/アフリーダ・オー・ブラートさんが、現代美術やクラブカルチャー、社会の多様性についてつづります。

 国際女性デーにあわせて、渋谷のブティック「Sister」が企画した「『F』ワードの再解釈:フェミニズム!」。1980年代にニューヨークで結成されて以来、アート界のジェンダーギャップに抗(あらが)ってきた集団「ゲリラ・ガールズ」のメッセージを、ファッションとともに伝える展覧会でした。

 会場では、倉敷芸術科学大学川上幸之介研究室の協力を得て、ポスターや映像作品が紹介されました。映像作品「男の視線(放飼〈ほうし〉)」では、有名な男性芸術家たちが10代の女性と次々結婚を繰り返し、配偶者に手を上げ、ハラスメントを続けた歴史が語られます。牛羊の放し飼いのように、自由に女性を食べ荒らしてきた男性作家の悪行と戦うと、ゲリラ・ガールズが声を上げます。

 88年に制作されたポスター…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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