ボードゲーム「バックギャモン」のプロのプレーヤーとして男女混合の世界選手権を2度制覇し、海外の大会を飛び回ってきた矢澤亜希子さん(40)は、遠征先や試合で想定外の危険やセクハラに遭ったこともあるそうです。女性の競技人口の少ない世界で、どのように性差について考えてきたかを聞きました。
――女性が少ない世界での苦労とは。
今はコロナ禍で休止していますが、バックギャモンの大会は一年を通して、アメリカやヨーロッパなど各地で開かれています。
女性のプレーヤーは、最近は少しずつ増えている印象ですが、まだまだ圧倒的に少ないです。2013年に私が選ばれるまで、世界上位32人のプレーヤー「バックギャモンジャイアンツ」に、女性は一人もいませんでした。
大会の受付の列に私が女性一人で並んでいると、プレーヤーと思われず、抜かされたり、罵声を浴びたりすることもありました。
――危険な目に遭われたことも。
男女問わず、日常生活でもそうだと思うのですが、人間にとって100%安全な状況って、ないですよね。言葉や文化の違いのある外国で、しかも独りで行動していたら、なおさら危険は高まります。
実際、女性のことを「自分たちより力が弱い。暴力に屈しやすい。言い返せない」などと決めつけて、予測も出来ないような不当な接し方をしてくる男性も一部にはいます。それはゲームで考えれば、女性の側にあらかじめ与えられた「ハンデ」かも知れません。
東ヨーロッパのある国の大会で、こんな経験がありました。現地の男性プレーヤー2人が、休憩時間中に「世界チャンピオンをもてなしたい」と、会場の外での食事に誘ってきました。一人で行くのは危ないと思い、ロシア人の男性プレーヤーを誘って行きました。
同伴者がいても、この後、予想外の災難が。国外での身の危険、国内でのセクハラ…。矢澤さんはどう考え、対応してきたのでしょうか。
窓がなく、外から中の様子がわ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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