好きな作品が批判されると嫌な私 美輪明宏さん「他人の感想なんて」

 大学生です。何にでも執着する自分が嫌になります。

 例えばドラマ。つまらないと思って3話目で見なくなった作品が世間から高評価を得ていると、気に入らない。自分の見る目が正しかったのだと思いたくて、時間の無駄だといら立ちつつもネットで評価の低い感想をあさってしまいます。

 大好きな作品が批判されているのを見た時もそうです。私は作品に熱を上げすぎると、作品と自分自身との境界があいまいになり、その作品に対する世間の評価を、作品が好きな自分への評価のように受け取ってしまうことがあります。これのせいで、批判的な感想を見て傷ついたり、別の作品に嫉妬したりと、つまらないことにエネルギーを使って疲れます。

 人の感想なんて千差万別で当たり前だと分かってはいるのに、自分の意見が多数派でないと不安になります。それも全ては人間としての中身の不足に対する悲観、つまり自信の無さに起因しているのだと思い、ネットサーフィンをやめて自分磨きにいそしんでみるものの、何かが満たされないのです。

 このままだと、つまらない人間のまま一生を終えそうで空恐ろしくなります。今まで背負い込んだものを捨てる方法、そしてこれ以上荷物を増やさず、自分の内面を養うことに力を注いで豊かに生きる方法をご指導頂きたいです。

回答者 歌手・俳優 美輪明宏さん

 ご自分でもお分かりではありませんか。他人の感想なんて千差万別。割り切るしかありません。人間には色んな価値観があるのは当然です。

 どの作品が優れていて、どれ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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