安倍元首相の通夜、岸田首相らが訪れ焼香 葬儀は12日に家族葬

楢崎貴司 武田啓亮

 参院選の街頭演説中に銃撃されて亡くなった安倍晋三元首相の通夜が11日、東京都港区増上寺で営まれた。岸田文雄首相や菅義偉前首相、麻生太郎自民党副総裁ら国会議員のほか、ゆかりのある経済人や文化人約2500人が焼香に訪れた。葬儀は家族葬として12日に執り行われる。

 ほかに弔問に訪れたのは、米国のエマニュエル駐日大使、イエレン米財務長官ほか各国大使、フジサンケイグループの日枝久代表、トヨタ自動車豊田章男社長、楽天グループ三木谷浩史会長兼社長、セガサミーホールディングスの里見治会長ら。

 後日、東京と地元の山口で「お別れの会」を行う予定。自民党本部の敷地内にも11日、記帳台が設けられ、訪れた多くの人が手を合わせた。15日までの午前9時~午後5時で記帳や献花を受け付けている。(楢崎貴司)

一般向け献花台にも長い列

 安倍晋三元首相の通夜が11日に営まれた東京都港区の増上寺では、一般向けの献花台が設けられた。多くの人が訪れ、長い列ができた。喪服を着た人や、仕事帰りの会社員らが献花台に掲げられた安倍元首相の遺影に向かって手を合わせた。

 東京都町田市の会社経営の男性(62)はツイッターで献花台の存在を知り、渋谷区の職場から駆けつけた。「国防政策などで安倍さんを支持していた。ただただ残念」。安倍元首相が体調問題で辞任してから、アベノミクスなどの経済政策や改憲論議が「中途半端な形で中断してしまった。このまま政策が尻すぼみになってしまわないか危惧している」と話した。

 職場が近いという横浜市在住の会社員の女性(40)は、ニュースで通夜があると知って立ち寄った。「お花を用意できなかったので一礼だけでも」と思っていたが、会場には白菊が用意されていたという。安倍元首相を特別に支持していたわけではないが、「アベノマスク」などで批判を浴びながら、コロナ対応にあたっていた姿が記憶に残っている。「あの頃は手探り状態だったから、今思えば仕方ない部分もあったのかも」。配られた2枚の布マスクは今も保管しているという。

 世田谷区の会社役員の男性(73)は「早すぎる。惜しい政治家を亡くした」と悼んだ。憲法改正や歴史認識などで安倍元首相に共感する部分が多かったという。「『戦後レジームからの脱却』を掲げた安倍さんは、日本人を目覚めさせてくれた。こんな政治家は当分、現れないだろう」と語った。(武田啓亮)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment