実は揺れやすい琵琶湖周辺、液状化や洪水も 南海トラフ地震への備え

 琵琶湖周辺ではどんな地震被害が起こりうるのか。そして、命を守るためにどう備えたらよいのか。地震・地殻変動と地下水との関係について研究している滋賀県立大環境科学部の小泉尚嗣(なおじ)教授に聞いた。

 ――滋賀県は地震の心配はないのでしょうか。

 そんなことはありません。日本周辺は4枚のプレートが押し合っていて、国全体に地震が起きる可能性はあり、滋賀県も例外ではありません。琵琶湖は、周囲の活断層による地震で陥没が繰り返されて今の姿になった。つまり琵琶湖は地震の痕跡です。歴史に学ぶことが重要です。

 ――歴史に残る地震による被害とは。

 1662年の寛文近江若狭地震は、歴史記録上、滋賀県で最多の死者数が出たと考えられます。安曇川の上流、現在の大津市葛川町居(かつらがわまちい)町付近で、高さ約700メートル、最大幅約650メートルにわたって土砂崩れが発生。二つの村がほぼ壊滅し、約560人が死亡しました。2、3日間、生き埋めになった人々の泣き声が聞こえたそうで、まるで先日のトルコ・シリア大地震のようです。崩れた土砂は安曇川をせき止めて天然ダムができ、約40メートル水位が上昇し、それによってさらに被害が生じました。

 1909年に発生した姉川地…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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