宮沢賢治にあこがれ、つくった農民オケ 生誕の地で捧げる「第九」

 農業にたずさわり、宮沢賢治を愛する人たちでつくるオーケストラがある。その名も「東北農民管弦楽団」。代表は「セロ弾きのゴーシュ」にあこがれ、チェロを奏でる有機農家だ。結成から10年になる今年は、生誕の地で演奏会を開き、賢治が愛聴したあの大曲を捧げる。

 楽団は2013年1月に結成。東北地方の農家をはじめ、農学部の学生やJAの職員など、さまざま立場で農業に関わる約70人が参加している。賢治が生まれ育った岩手県花巻市を拠点に、農閑期にだけ活動するのが特徴だ。

 演奏する曲目も、賢治が好んで聴いたベートーベンの「田園」や、ドボルザークの「新世界」をはじめ、自然や農民をテーマにした音楽を中心にしている。

 代表を務めるのは、青森県弘前市で有機野菜を栽培する農家の白取克之さん(53)。小学生のときに賢治の童話を読んでファンになり、中学時代に「ゴーシュ」に魅了されてチェロを始めた。賢治の影響で農家を志し、山形大学の農学部に進んだ。

 楽団結成のきっかけは、卒業…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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