家出した姉とパパの会話、2階で聞いた僕 「作文教育の出番」今こそ

 子どもが生活のありのままをつづった作文を授業で読み合う「生活綴方(つづりかた)」。これに取り組む全国の先生たちの集まりが8月6~8日、堺市で開かれます。「人と人とのつながりが薄くなりがちなコロナ禍のいまこそ、作文教育の出番」。主催者はそう呼びかけ、未経験の先生や学生の参加も歓迎しています。宮崎亮

 作文を読み合う授業とはどのようなものなのか。7月中旬、堺市立福田小学校の5年1組を訪れた。

 授業の初め、月木寛介(つきのきかんすけ)さん(11)の作文が刷られたプリントが配られた。

 題は《三時間の家出(姉)》。姉が「洗い物しなさい」と言った父親に反発し家出したという内容だ。寛介さんが読み上げる。

「三時間ほどさがしたがおらず」…

 《三時間ほどさがしたがおらず、パパはまださがしていたときげんかんで音がした。見に行くと、外は雨がふっていたらしく、びしょびしょだった》

 担任の芝池僚介先生(32)は気になる文に線を引くよう求め、寛介さんへの質問が始まった。「お姉ちゃんは何年生なんですか」「このときはまだ6年生」「雨が降っていたって、どんな雨ですか」「勢いよく降ってた。ザーッ!て」。作文を大きく刷った紙に芝池先生がやりとりを書き込む。

授業中のやりとりで、寛介さんは自分でも気づかなかった「自分らしさ」に気づきます。記事後半ではコロナ禍で増す作文教育の重要性や、思想家の内田樹さんの講演など研究大会の詳細も。

 《(姉は)先におふろに入っ…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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