家族やバイト先から資金工面 大学卒業待たずにカフェ起業の覚悟

 大学生が経営するカフェが今秋、岐阜市柳津町の県道沿いにオープンした。オムライスやハヤシライスの写真が入った幕を店頭に掲げる「KITCHEN(キッチン) わか」。大学やアルバイトで得た知識と経験を生かし、こだわりのランチやスイーツを提供している。

 11月に店を立ち上げたのは、愛知県稲沢市の名古屋文理大学4年の篠田和果奈さん(22)。岐阜県神戸町の実家から進学校に通った高校時代、「オーナーシェフになるため専門学校に進もう」と考えたが、教員らから大学行きを勧められた。選んだのが、飲食店の運営や起業のノウハウなどが学べる名古屋文理大の健康生活学部フードビジネス学科だった。

 1年の時から稲沢市のカフェでアルバイトしながら調理や接客の経験を積んだ。オーナーに自分の目標を伝え、料理の仕込みやスイーツの試作にも携わった。大学でも調理実習はあるが、「客の注文を間違え、時間がかかった場合にどう対応するか」といった実例を学べたという。

 卒業後の早い時期に起業できればと考え、岐阜県内で物件を探していたところ、居抜きで使えるこぎれいな店舗を見つけた。卒業に必要な単位もほぼ取っていたことから賃貸契約を結んだ。

岐阜市柳津町 「KITCHEN わか」

篠田さんの店の看板メニューは「とろとろオムライス」や「オムハヤシ」。ブレンドコーヒーは豆をひいてからいれる、こだわりです。

 「明確な目標があって学び、アルバイトもする学生は少ない。在学中に起業した学生は初めて」と、一緒に物件探しに回った名古屋文理大の河木智規・准教授(フードサービス論)はいう。

 河木さんによると、初期費用は通常の3分の1程度。それでもアルバイトでためた資金では足りるはずはなく、祖母やアルバイト先のオーナーらに借りて資金を用立てたという。

 一部改装した店内は、カウン…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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