家財を抵当に入れ… 元老の息子、大戦末期の苦闘つづる

 北海道・根室半島に今も点在する旧日本軍の小型防御用陣地「トーチカ」。太平洋戦争末期、その建設の指揮を執った軍人の記録が残されている。そこからは、物資が不足する中での苦労や、軍上層部の内情が生々しく伝わってくる。

 1943年暮れ、東京から根室に赴いたのは、当時の貴族院議員で公爵の大山柏・陸軍少佐。大山は、日露戦争の満州軍総司令官で元老、元帥となった大山巌の息子だ。陸軍に入った後、留学した欧州で考古学を学んだ。

 38歳で退役し、東京の自宅につくった「史前学研究所」で学究生活を送っていたが、太平洋戦争の戦況悪化で予備役から召集され、根室の警備大隊長となった。54歳の時だった。

 大山は赴任後、根室半島沿岸へ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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