富士山に登山鉄道構想 世界遺産のふもとは変わる?

富士山麓はだれのもの⑤ デザイン・福宮千秋

 登山を楽しむ人は「一度は富士山に」と思うだろう。昨年はコロナ禍で立ち入り禁止になった登山道が、今年は開かれた。

 登山シーズンは9月初旬まで。感染防止対策は必要だが、日本一の山頂を目指すことができる。

 四つある登山ルートのうち、最も登山者が多いのは山梨県の吉田口登山道だ。県営の有料道路「富士スバルライン」を走るバスに乗れば、標高2305メートルの5合目まで連れていってくれる。

 2013年に富士山世界文化遺産に登録されると、人出が急増した。富士スバルライン5合目の来訪者は19年には年間506万人を数え、登録前の2倍を超えた。登山だけでなく、5合目周辺の観光を楽しむ人も多い。

世界遺産富士山のふもとで「山梨の乱」が起きている。富士五湖の一つ山中湖畔にある別荘地をめぐり、別荘地を経営する富士急行に対して、土地を所有する山梨県がこれまで通りには貸せないと主張したのが発端だ。なぜ乱は起きたのか、どこへ向かうのか、富士山麓(さんろく)はだれのものなのか。連載最終回です。

 スバルラインは前回の東京五輪が開かれた1964年に開通した。半世紀余りが過ぎた今、その道路上に線路を敷き、車ではなく次世代型路面電車(LRT)を5合目まで走らせる構想が持ち上がっている。

 「1年半にわたって様々な議…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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