将来は宇宙空間で 人手不足も解消する大林組の「3dpod」

北村 玲奈

 大林組技術研究所(東京都清瀬市)の一角に、繭のように丸みを帯びた「家」がたたずんでいる。同社が3Dプリンターで造った、床面積27.09平方メートル、高さ4.04mの建築物で「3dpod」と呼ばれる。空調、電気、水道を備え、3Dプリンターによる建設物としては日本で初めて、建築基準法に基づく国土交通大臣の認定を取得した。

 3Dプリンターで、特殊なモルタルの外壁と内壁を作り、その隙間に、同社の独自素材である鉄繊維が含まれたコンクリート「スリムクリート」を流し込むことで、鉄筋を使用せずに強度を出し、ほぼ全ての工程の自動化に成功した。曲線状の構造も、鉄筋を使わないが故に実現できた。

 プロジェクトリーダーを務めた坂上肇さん(39)は「自動化の技術は人口減による人手不足を解消し、将来的には人が立ち入れない危険な場所や宇宙空間などに展開できる」と、未来を見据えている。(北村 玲奈)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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