山林と古民家をグランピング場に再生 障害のある人たちの働く場に

 障害者が草刈りや清掃などを担うグランピング場「里山グランピングむすび」が、岐阜県瑞浪市日吉町にオープンした。名古屋市の一般社団法人「全国高齢者食育協会」が築123年の古民家を改修して管理棟にし、荒れ地を切り開いて宿泊施設を設けた。

 2年前、古民家と付近の山林など約1万3千平方メートルの活用法を募っていた所有者に、協会の東洋平代表理事(46)が「障害者が働く居場所と、能力を伸ばす場としてのキャンプ場」を提案。一帯を譲り受けた。

 20年以上空き家だった約300平方メートルの古民家は床などを改修。管理棟として受付や食材準備用台所を設けたほか、居間は多目的ホールに改修し、地歌舞伎などが公演できるようにした。

 2メートル以上のササが生い茂った荒れ地は、まず約6500平方メートルを自分たちで整地した。施設は4人が泊まれるドームテントとバーベキュー小屋が各4棟など。蔵は鶏小屋に改修し、食材の一部自給もめざす。事業費は約7千万円。

里山の静けさと豊かさ体感して

 協会は名古屋市内で2カ所の就労継続支援B型事業所を運営している。近隣の障害者に知ってもらうため、協会は2年前、瑞浪市内にも事業所を開設した。グランピング場で働く障害者は募集中だが、「名古屋と瑞浪から、グランピングに興味がある障害者にどんどん仕事に入ってもらう。希望者には接客なども任せたい」と東さん。

 残る敷地の約6500平方メートルは山林がほとんどで、自由にテントが張れるキャンプ場にする予定。敷地内のため池を釣り堀にしたり、ドッグラン場を設けたりと、構想は広がる。

 「重機の免許を取得して整地するなど、時間はかかったが、ほとんどのことは自分たちでやってきた。都市圏の家族連れに、里山の静けさと豊かさを体感してもらう場にしたい」とスタッフの市原雅之さん(33)は話す。

 ドームテントの宿泊料は、大人2人の素泊まりで平日1万8千円、土曜2万2千円など(いずれも税込み)。食事代は別。問い合わせは「里山グランピングむすび」(0572・51・5661)へ。(本井宏人)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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