帰還困難区域の共同墓地、初のお盆 訪問する人はわずか

 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、全町に避難指示が出されたままの福島県双葉町。避難先からでも安心して墓参できるように町が整備した新しい共同墓地が、お参りできるようになって初めてのお盆を迎えた。帰還困難区域内のため、墓参りには今も、町に通行証を申請する必要がある。12日も、訪れる人はわずかだった。

 墓石を設置できる自由墳墓が258区画、骨つぼを仮安置する納骨墓が72基、永代供養墓がある。258区画中、63区画に使用申請があり、墓石が設置されているのは33区画のみだ。

 除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設が建設される地区、放射線量が高い山間部の地区、墓地が津波被害にあった地区の町民らから、新墓地の設置要望があったという。町が私有地を買い取り、木を伐採し土を入れ替えて除染した。

 実家とお墓が共に中間貯蔵施設の建設予定地となった林かつ子さん(71)は、夫と長女と共にお墓を清め、花を手向けた。移設のため3月に訪れた元のお墓の周りには廃棄物を入れたフレコンバッグが積み上げられており、早くこちらに移設できて安心したという。まだ更地も目立つ周囲を見渡し「そのうち増えていくんだろうか」とつぶやいた。(福留庸友)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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