平時のつながり、非常時に生きる 「子ども食堂」の価値

 新型コロナウイルスの影響で、10月11~15日にオンラインで開催された国際シンポジウム「朝日地球会議2020」(朝日新聞社主催)。コロナ危機と文化や循環型経済などについて討論した様子を、アーカイブ動画とともにお届けします。

    ◇

 大規模災害にたびたび見舞われる日本。そして今、新型コロナに生活が大きく揺るがされている。危機を乗り越えるため地域に求められる機能を探るとき、ひとつの手がかりが「子ども食堂」にあるという。「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の湯浅誠理事長と、愛媛県宇和島市で「ぐらんま子ども食堂」を開くNPO法人うわじまグランマの松島陽子代表理事が、コロナ禍で再確認された役割について語りあった。

 全国約4千カ所に広がる子ども食堂。湯浅さんは冒頭、9月に各地の運営団体に行ったアンケートからうかがえる苦しい現状を伝えた。緊急事態宣言による自粛後、食堂を再開したのは回答中3割ほど。食料配布に切り替えるなどした団体からも、人手や資金面の厳しさを訴える声が多く上がっているという。

 「ぐらんま子ども食堂」も2月以降はしばらく開けず、代わりに松島さんらが取り組んだのが、ひとり親家庭の子ども向けに食材やお菓子を無料配布する「フードパントリー」や弁当の配達だ。学校にチラシを配ってもらい、LINEも活用して広く情報を発信。共感してくれた地元企業から米や調味料の提供を受けるなどして苦境を乗り越えてきた。

 松島さんらが子ども食堂を始め…

2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment