床に頭を打ち付ける発達障害の息子 母が福岡の監禁事件に抱く思い

 中学生を脅して拘束したなどとして、福岡県で障害者施設を運営する法人の理事長らが逮捕された。子どもの困った行動を改善するというセミナーには、切実な悩みを抱える人たちが集まっていた。同じように悩む保護者らは「人ごとではない」と受け止め、発達障害の専門家はためらうことなく公的な窓口に相談するよう呼びかけている。

 「子どもを施設に預けた保護者の気持ちが分かる気がする。人ごととは思えない」。発達障害の子を持つ愛知県の30代女性はそう話す。事件のニュースをみて、監禁されたとされる中学生の家庭の苦労を想像したという。

 長男(3)は2歳になってすぐに「自閉症スペクトラム」と診断された。遊びを切り上げたり、風呂に入らせようとしたり、気に入らないことをさせると悲鳴のような声で泣き叫ぶ。ひどいときは、わざわざ硬い部分を選んで床に頭を打ち付け続ける。やめさせようと抱きかかえると体を反らせて暴れ、落としそうになる。騒ぎを聞いた近所から通報されないか、ひやひやしながら暮らす。

「孤立感あり、不安大きい」 一人親の苦悩

 女性はシングルマザーで、実家で両親と暮らす。高齢の両親にいつまでも頼れない。「いまは小さいから何とか対処できているが、それでも孤立感がある。子どもが大きくなってから1人で向き合うと思うと不安が大きい」と話す。

 逮捕された理事長らによる、子どもの困った行動を改善するというセミナーには、切実な悩みを抱える人たちが集まりました。保護者の思いとは、必要な支援とは。当事者や専門家に聞きました。

 支援先の情報が限られている…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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