徳次郎町、読みは「とくじら」が常識なのに 住民は困惑

 宇都宮市北西部に「徳次郎町」という地名がある。行政上の読み方は「とくじろう」だが、地元では昔から「とくじら」が常識だった。地元自治会は4月、「本来の読み方に戻してほしい」と、市に要望書を出した。過去に例がない読み方の変更はかなうのか。

拡大する交差点の地名はローマ字で「とくじろう」になっている=2020年5月26日午前10時40分、宇都宮市徳次郎町

 「『とくじら』じゃなきゃダメでしょ」

 地元で生まれ育った会社社長斎藤光重さん(62)はそう言い切る。通った保育園、地域に残る戦国時代の城跡、高齢者施設、三つのバス停、商店の屋号――。至る所で昔ながらの呼び方が使われてきた。

 それでも、公的には「とくじろう」だ。時代が進むにつれて不都合も生じてきた。銀行口座を開く際、住所のふりがなを「とくじら」と書くと訂正させられる。郵便局の名称は33年前、日光宇都宮道路インターチェンジのローマ字表記は12年前に、行政上の読み方に合わせられた。

拡大する昔ながらの読み方の家電店もある=2020年5月26日午前10時30分、宇都宮市徳次郎町

 「『とくじろう』が正しいと思う若い人も増えてきた。紛らわしい」と斎藤さん。徳次郎保育園の髙野順子園長(52)も「住所と園名の読み方が異なる。電話で問い合わせる人も戸惑ってしまう」ともらす。

拡大する徳次郎保育園は前身が開園した1958年以来、「とくじら」と読ませている=2020年5月26日午後0時05分、宇都宮市徳次郎町

 お役所がいったん決めた読み方…

980円で月300本まで2種類の会員記事を読めるシンプルコースのお申し込みはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment