性別欄がもたらす「決定的な瞬間」 なくす動き、病院や学校でも

 書類や調査などで性別の記入を求められることは多いものです。でも生活上と戸籍上の性別が違うことや、性で分類されることにより、苦しみ、困る人がいます。不要な場合はなくす、男女の2択をやめるなどの取り組みも進んでいます。性別欄のこれからを考えました。

各地で廃止の動き

 さまざまな書類から性別欄をなくす動きは各地で広がっている。

 都道府県立高校の中で最後まで願書に性別欄が残っていた都立高校では、2023年度入試から性別欄がなくなった。北海道では21年、道議の指摘をきっかけに道立病院の泌尿器科の問診票から性別を問う欄をなくした。これにより全診療科でなくなったが、支障は起きていないという。

就職用の履歴書や自治体ではどんな変化が起きているのか、紹介します。後半では、記者が取材時に聞いた、トランスジェンダーの人たちにとって性別欄の記入が「決定的な瞬間」になってしまう、という言葉の意味について考えます。

 富山県は、県に提出を求める書類や県民に交付する書類の性別欄の削除と書き方を工夫する取り組みを進め、21年には県内の市町村やさまざまな組織に「その性別欄、必要ですか?」と見直しを呼びかける啓発リーフレットを配った。性的マイノリティー支援に取り組み、性別欄の見直しを求めてきたレインボーハート富山の共同代表・佐脇宏史さんは「県が率先して書類の点検・性別欄削除やリーフレット作成に動いてくれたことが、県内への啓発になっているのではないかと思います」と話す。

 就職時の履歴書は、性別欄が…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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