恐怖を乗り越えた先に ブラインドランナー井内さん、パリを目指して

 生まれつき目が不自由なブラインドランナーの井内(いのうち)菜津美さん(34)=京都府宇治市=は、8月開幕のパリ・パラリンピック出場を目標に据える。駅のホームから転落するという恐怖の体験を乗り越え、自身初のパラでメダルを狙う。

 井内さんは中学・高校時代は陸上部で、伴走者と中長距離を走った。2019年8月から、みずほフィナンシャルグループに所属。フルマラソンの日本記録(3時間12分55秒)、5千メートルのアジア記録(20分28秒06)、1500メートルの日本記録(5分30秒41)などを保持する。

 思わぬことが起きたのは昨年11月5日。一人で白杖(はくじょう)をついて練習に向かう途中、電車を乗り換えるために降りた京阪本線七条駅のホームから転落した。目が見えないなか、電車の音が迫る。「みんなとさよならなんだ」と覚悟した。

「あの経験より怖いことはない」

 線路と線路の間で体を縮めて…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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