息子に異変、中学受験から「撤退」 いま「英断だった」と思える理由

 成績が伸び悩んだり、受験勉強に嫌気がさしてしまったり……。中学受験の準備を進めるなかで、「もうやめようか」と悩む受験生や保護者は少なくないようです。SNSにも「撤退」をめぐる様々な体験や悩みが投稿されています。タイミングや高校受験への影響など、「撤退」問題にどう向き合えばいいのか。経験者や受験の専門家に聞きました。(中井なつみ)

目に力なく、口数も減少

 「受験をやめるのは、悪いことじゃないよ」

 長男が小学校6年生になる直前の春休み。自宅のソファで、東京都の自営業、砂羽美佳さんは長男の横に座ってこう切り出した。

 4年生になるときから塾に通ってきた。自身も中学受験を経験した砂羽さんが「(将来に向けて)より多くの選択肢を得られれば」と考え、受験を提案した。

 だが、5年生の秋ごろから、異変を感じることが増えた。ぼーっとして目に力がなかったり、口数が減ったり……。学校で忘れ物が増えていたことも後から知った。

 下校後すぐに塾に行き、遅いときには、帰りが平日でも午後10時を過ぎることもあった。慢性的な睡眠不足になっていた。

「やめたい」と言った息子にかけた言葉

 砂羽さんと向き合った長男は…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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