息子33歳、死亡ひき逃げ事件は時効に 容疑を切り替え捜査は継続

佐々木洋輔

 10年前の11月20日に行方不明になり、2012年3月に松阪市の山林で遺体で見つかった鉄筋工一瀬敦さん(当時33)の死亡ひき逃げ事件が20日、公訴時効の10年を迎えた。一方、県警は一瀬さんが生きたまま遺棄された可能性があるとして、容疑を公訴時効が20年の保護責任者遺棄致死に切り替えて捜査を続ける。

 一瀬さんが行方を絶った近鉄伊勢中川駅ではこの日、遺族と松阪署員らが情報提供を求め、ちらし約300枚を駅利用客らに配った。遺影を持って駅の利用客に呼びかけた一瀬さんの母要子さん(73)は「10年は長かったが、悔しさは変わらない。はねられて遺棄された最期を知りたい」と話した。

 松阪署によると一瀬さんは11年11月20日、神戸市の実家から松阪市内の勤務先の寮に帰るために伊勢中川駅で下車した後、行方不明となった。12年3月11日に約20キロ離れた同市飯南町の山林で遺体で見つかった。遺体の状況などから県警は車にはねられた後、山中に運ばれて遺棄されたとみている。

 県警は当初、死亡ひき逃げ遺棄事件として、容疑を死体遺棄や自動車運転過失致死で捜査していたが、いずれもこの日までに公訴時効を迎えた。一方、一瀬さんが車ではねられた後、生きたまま山林に遺棄された可能性も否定できないとし、容疑を公訴時効が20年の保護責任者遺棄致死に切り替えて捜査を継続する。

 情報提供は松阪署捜査本部(0598・53・0110)へ。(佐々木洋輔)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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