感染状況で「4段階」に地域分類、予兆見つけ早期対応 コロナ分科会(THE PAGE)

 政府の新型コロナウイルス対策分科会(会長・尾身茂地域医療機能推進機構理事長)は31日、感染状況によって地域を4段階に分類し、段階に応じた感染防止対策を行っていく方針について暫定合意した。感染拡大の予兆をつかむめの指標も近く作成する予定。感染状況が深刻になってから対策を取っても「遅すぎる」として、早期の対応で感染抑制を狙う。 【動画】全国で感染再拡大 コロナ分科会後に西村担当相と尾身会長が会見

「散発」「漸増」「急増」「爆発」の4段階

 この日の分科会でまとめられた4段階とは、(1)感染ゼロ散発段階(2)感染漸増段階(3)感染急増段階(4)感染爆発段階、で(4)が最も深刻な状況に位置づけられる。  各段階を具対的にみると、(1)の感染ゼロ散発段階は、感染者が散発的に出るものの医療提供体制に特段の支障のない状態。  (2)の感染漸増段階になると、感染者が増え始め、医療提供体制への負荷が蓄積されていく。クラスターが度々発生し、重症者が徐々に増加。保健所への負荷が増す。  尾身氏は、連日3ケタの感染者が出ている東京都や大阪府は(2)の感染漸増段階にあるとの認識を示し、(1)と(2)の段階は「行ったり来たりすると思う」と述べた。  さらに感染者が増え続けると(3)の感染急増段階となる。クラスターがあちこちで多発し、コロナ対応の医療提供体制にさらに負荷がかかり、一般医療にも大きな影響が出る状況だ。  そして最も深刻なのが(4)の感染爆発段階だ。爆発的な感染拡大と医療体制の機能不全が起きている状態で、大規模なクラスター連鎖が発生し、高齢者ら高リスクの人が大量に感染し、多くの重症者や死者が出てしまう。

感染爆発段階で緊急事態宣言を出しても「遅い」

 各都道府県で今後想定される感染状況の変化と対応について、尾身氏は「次の段階に移ったことが分かってから対策を取っても遅すぎる。次の段階に移る予兆を見つけ、先取りした介入をして、今の対策より強い対策を打っていただきたい」と知事らに求めた。  政府の「緊急事態宣言」の発出についても言及。「緊急事態宣言を出した方がいいかという議論があるが、最終段階(感染爆発段階)に行ってから宣言を出しても遅い」と述べ、仮に出すにしても、早めに予兆を見つけてすぐに発出すべきだとした。  尾身氏は感染拡大の予兆を検知するためには「指標」が必要だとも強調した。指標となる具対的な項目として、PCR検査の陽性率や新規陽性者の報告数、感染経路不明者の割合などが想定されるとしたが、最も重視するのは、重症者病床や感染リスクの高い60歳以上の新規陽性者の報告数などの「医療提供体制への負荷」だとした。  さらに指標の検討には、大都市と地方における実情の違いも考慮に入れるべきだとのみかたも示した。医療提供体制への負荷について「実は都心部では重要視するが、まだ感染がそれほど拡大してない地域では、また違う考え方を取らないといけないという意見が出た」。地方では医療体制だけではなく、感染者数も重視した「決めの細かい議論が必要」だと付け加えた。  指標の作成期限は「これから1週間くらい、なるべく早いうちに」と述べ、次の分科会で決めたいとした。  分科会での合意事項を踏まえ、西村康稔(やすとし)経済再生担当相は感染防止対策と経済活動の両立を目指す考えをあらためて示し、「現段階は漸増段階だが、急増段階に行きかねない。早期に感染を減少に転じさせるのが共通の思い。新規陽性者が増えれば重症者も増えるので、感染者の数を減らすことが大事」だと述べた。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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