憧れの自衛隊、セクハラが日常だった 子どもには笑顔作って精神科へ

【動画】「セクハラを訴えた私に起きたこと」#3

 自衛隊でセクハラを訴えた女性が、意に反する形で加害男性と面会をさせられた際の音声記録を入手しました。加害者を励ますような上司の言葉。密室のやりとりからハラスメント問題が相次ぐ自衛隊の実態に迫ります。

 記事の後半では、面談で実際にやりとりした音声を公開しています。

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 海上自衛官として西日本の地方の街で働いていた20代の女性は、職場でセクハラ被害を訴えた後に突然、上司から加害者との面会を迫られた。泣いて拒んだのに――。2022年の年末のできごとだった。

 女性は西日本の山と川に囲まれた田舎町で育った。自宅から最寄りの駅まで1時間かかり、やってくる電車は1時間に1本。冬になると雪でしばしば止まった。バスは2時間に1本ほど。山や川が遊び相手だったからか子どものころから運動が得意だった。

 2011年3月11日は、まだ社会に出る前だった。テレビに映し出される惨状の中、救援物資を運んだり、救助活動したりする自衛隊員たちの姿にひきつけられた。

 将来は自衛官になると決めた。かねて公務員になることを勧めていた両親は「国のために働くなんてすごいね」と喜んでくれた。

 入隊し、16年4月に熊本地震が起きた。最大震度7の被災地に派遣され、自衛隊の仮設風呂を使った入浴支援を担当した。

 家屋倒壊や断水で、何日も風呂に入れていなかった被災者たちは泣いていた。被災者のひとりから「自分がやっていることに誇りを持ちなさい」と言われたことは、いまも心から離れない。やりがいを感じた。

 その後、子どもを授かり、「ママのお仕事、格好いいね」と言ってくれることを励みに働いてきた。

上司「お前がチャラチャラしているから」

 それでも、いいことばかりで…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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