憲法の緊急時対応 野党慎重 衆院審査会(産経新聞)

 衆院憲法審査会の日程などを協議する幹事懇談会が14日、今国会で初めて開かれた。ただ、与党側が緊急時に国会議員の任期延長を可能にするための憲法審での論議などを呼びかけたのに対し、野党側は後ろ向きな態度に終始。新型コロナウイルスの感染拡大に直面し、「国会は緊急事態にどう対応すべきか」という現実的な改憲テーマが浮上しているにもかかわらず、与野党の足並みはそろっていない。

 「懇談会であれば、ということで開かれた」

 山花郁夫野党筆頭幹事(立憲民主党)は幹事懇終了後、記者団を前に淡々とこう語った。野党は今国会で「新型コロナ対策を優先すべきだ」と主張し、憲法審はおろか、幹事懇の開催にも応じてこなかった。しかし、他の委員会の審議には応じる一方、憲法審だけを拒否するという方針に矛盾が生じ、転換を余儀なくされた形だ。

 とはいえ、「懇談会であれば…」という言葉からも分かるように、憲法審の開催に慎重な姿勢は微動だにしない。

 衆院憲法審の新藤義孝与党筆頭幹事(自民党)はこの日の幹事懇で、一昨年6月に衆院に提出した国民投票法改正案などに加え、国会議員の任期を含む「緊急事態における国会機能の確保」に関わるテーマも憲法審で協議すべきだと提起した。

 しかし、立民など野党は国会機能について「議院運営委員会で協議できるのではないか」「不要ではないが不急だ」「緊急時に憲法改正につながるような議論をすべきではない」と主張。緊急事態に対応するための具体的な話し合いが進むかは不透明だ。

 新藤氏は21日の憲法審開催を目指して山花氏と交渉を重ねる考えだが、立民の国対幹部は6月17日の会期末までの窮屈な日程を念頭に、「憲法審を開く余裕はないだろう」と指折り数えつつ与党の足元を見る。

 一方、憲法改正に前向きな日本維新の会幹部は、立民などが不在でも憲法審を動かす覚悟が与党側から感じられないと指摘した上でこう嘆いた。

 「与野党双方から本気度が伝わってこない。これでは『やっているフリの憲法審査会』だ」

(内藤慎二、千田恒弥)

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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