抜本改革、遠い日大 いらだつ文科省がチラつかせる重大処分

 前理事長の田中英寿容疑者(75)らが逮捕された日本大学で、「脱・田中体制」に向けた動きが出始めた。ただ、抜本改革にはほど遠く、文部科学省行政処分をちらつかせながら改革を迫っている。

 「前理事長派が巻き返しを図る可能性もある。油断できない」。ある日大職員はこう気をもむ。

 田中前理事長は所得税法違反容疑で逮捕され、東京拘置所に勾留されている。脱税容疑を認めているとされ、勾留期限の20日以降に保釈される可能性もある。この職員は、保釈された前理事長が学内に及ぼす影響が不安だという。

 日大は、一連の事件が表面化してから3カ月たった今月10日、ようやく記者会見を開き、加藤直人・新理事長が「田中前理事長と永久に決別する」と宣言。外部有識者を中心とする「再生会議」を来年1月にも発足させると説明した。

 再生会議の主要テーマになりそうなのが、大学運営の中枢を担う理事の選任方法だ。今の理事会は「田中体制」のもとで就任したメンバーで構成されている。学内関係者ばかりで、女性は一人もいない。日大は3月末ごろに同会議から提言をもらい、新執行部をつくる方針という。

 日大の規定では、理事は27…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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