拉致問題解決訴え、都内で集会 家族会代表「停滞は許されない」

後藤遼太

 北朝鮮による拉致被害者の早期救出を求める「国民大集会」が26日、東京都千代田区で開かれた。「全拉致被害者の即時一括帰国」の実現を日本政府と北朝鮮に求める決議を採択した。

 拉致被害者の横田めぐみさん(拉致当時13)の弟で、拉致被害者家族連絡会(家族会)の横田拓也代表が冒頭に登壇。岸田文雄首相が5月の国民大集会で「(日朝首脳会談実現に向けて)私直轄のハイレベルで協議を行っていきたい」と踏み込んだことに触れ「しっかり前進しているのでしょうか。停滞は許されません。拉致は時間的制約がある重大な人権・人道問題です」と問いかけた。

 壇上に立った岸田首相は「切実な思い、痛切な声を聞かせていただいた」とした上で、首脳会談について「様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行っている。一層強めていく」などと述べた。

 めぐみさんの母・早紀江さん(87)は「(拉致被害者が)『早く来て、なんで助けてくれないの』と言っている気がする。命がかかっています。どうか取り戻していただきたい」と訴えた。

 拉致被害者の曽我ひとみさん(64)も登壇した。一緒に拉致されて行方が分かっていない母・ミヨシさん(当時46)について「こんなにも長い間母と会うことができず、今目の前に現れても本当に母だと思えるのだろうかと思うことがあります。本当に恥ずかしくて悲しいです」と打ち明けた。

 拉致被害者の家族は高齢化が進んでいる。今月1日には、1963年に能登半島沖で行方不明になった寺越昭二さん(当時36)の次男で家族会の一員でもある北野政男さんが72歳で亡くなった。会場では、北野さんを悼み、黙禱(もくとう)が捧げられた。(後藤遼太)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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