捜査情報を暴力団関係者に漏洩 佐賀県警巡査長書類送検

大村久

 佐賀県内の警察署に勤務する30代の男性巡査長が、捜査情報を暴力団関係者に漏らしたとして、県警は4日、巡査長を停職3カ月の処分とし、地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで佐賀地検に書類送検したと発表した。県警は「情報が漏れたことによる支障は出ていない」と説明したが捜査の内容や、暴力団関係者が捜査対象となっていたかどうかなどについては一切明かさなかった。

 県警監察課によると、巡査長は今年3月、勤務する警察署内で、署を訪れていた暴力団関係者に対し、覚醒剤取締法に関わる捜査で差し押さえを予定している物件に関する情報を話した疑いがある。暴力団関係者とは以前の捜査で面識があった。捜査は署で進めていたもので、巡査長は関与していなかったが捜査情報の一部を知っていたといい、「あまり深く考えずに話してしまった」と容疑を認めているという。

 この事案は、巡査長と同じ署に勤務する別の警察官が部外者から情報を得て発覚。県警本部の刑事部が捜査し、監察課でも本人から聴取した。逮捕しなかった理由について寺戸剛・監察課長は「犯行を認めて証拠隠滅の恐れがなかった」と説明。氏名や勤務先は「プライバシーや権利に配慮する必要がある」として明かさず、記者会見も開かなかった。

 警務部の原尚士首席監察官名で「誠に遺憾。今後はより一層、職員への指導、教養を徹底する」とコメントを出した。(大村久)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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