捜査1課が入った「ただならぬ」死亡事故 逃げた容疑者、最後の目撃

2022年6月29日発生の大分・別府市で起きたひき逃げ死亡事故、大分県警が男の行方を追う

 梅雨のじめっとした空気が漂う昨年6月29日。「泉都」とも呼ばれる大分・別府のJR別府駅から西へ1キロほどの交差点で事故が起きたのは、日没後でほの暗い午後7時45分ごろだった。

 「ドン」

 雷が落ちたような音が周囲を揺らした。

 交差点の中心から約40メートル離れた理容店前の県道に中型バイクが、さらにその20メートルほど交差点寄りの位置に原付きが倒れていた。バイクからは大量の油が漏れ出し、道路に染みこんでいた。

 その奥には、電柱に衝突し、前部が大破した白い軽乗用車。「事故を目撃された方はいませんか」と、警察官と思われる男性の大声が響く。

 事故を知らせる通行人からの110番通報を受け、発生の5、6分後には、約800メートル離れた別府警察署から警察官が現場に到着していた。2台のバイクの運転手はそれぞれ病院に運ばれたが、軽乗用車の運転手が見つからない。

 車のナンバーを照会して所有者がわかると、県警の捜査員がざわめいた。

 「八田(はった)だ」

交通事故を起こして相手を死なせながら逃げ続け、そのまま時効にーー。そうした事例が全国で相次いでいます。「逃げ得は許さない」と警察は追跡を続けますが、「タイムリミット」が遺族を追い詰めている現状があります。

県下の警察官に指令

 八田與一(よいち)容疑者…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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