教員免許の授与数、20万件割れ 「過労死ライン」の労働環境影響か

 学校で教員不足が問題になるなか、教えるのに必要な教員免許状の授与件数が大きく減っている。文部科学省が6月に発表した2020年度は計19万6357件(前年度比7440件減)で、データのある03年度以降では初めて20万件を切り、最少となった。特に中学や高校での落ち込みが激しく、文科省は「過労死ライン」を超える教員の長時間労働の実態が広く知られ、教職が敬遠されている可能性があるとみている。

 文科相の諮問機関、中央教育審議会の部会では、免許件数の減少に歯止めをかけるため、教職課程の履修負担を軽減する案が議論されている。文科省は年内に答申を受け、制度改正に乗り出す方針だ。

 文科省によると、20年度の普通免許状の授与件数は小学校が2万8187件(前年度比146件減)、中学が4万4297件(同1712件減)、高校が5万2629件(同2355件減)、特別支援学校1万2300件(同1094件減)、幼稚園4万4225件(同1928件減)など。

 03年度以降で最も落ち込み幅が大きいのは高校で、最多だった06年度の約8万3千件から4割近く減り、中学も06年度の約5万8千件から2割以上減った。一方、小学校は03年度と比べて4千件増え、近年はほとんど変動がなかった。

 教員免許は教職課程のある大…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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