教員勤務改善に裁判長が異例の付言 萩生田文科相「重く受け止める」

伊藤和行

 埼玉県の公立小学校教員が時間外労働の未払い賃金支払いを県に求めた訴訟の判決で、さいたま地裁の石垣陽介裁判長が教員の勤務環境の改善を「切に望む」と付言したことについて、萩生田光一文部科学相は4日午前の退任会見で、「司法からも改善を求められていることは重く受け止める」と述べた。教員の労働環境や報酬体系の見直しを次の文科相に引き継ぐ考えを示した。

 1日のさいたま地裁判決は原告の請求を棄却したが、公立学校教員には残業代を支払わない代わりに月給の4%分を一律で支給すると定めた教職員給与特措法(給特法)について「多くの教育職員が学校長の職務命令などから一定の時間外勤務に従事せざるを得ない状況にあり、もはや教育現場の実情に適合していないのではないか」と指摘。「給与体系の見直しなどを早急に進め、教育現場の勤務環境の改善が図られることを切に望む」と求めていた。

 萩生田氏は4日午後に発足した岸田内閣で経済産業相に起用され、後任の文科相には末松信介参院国会対策委員長が就く。萩生田氏は末松氏について「今までの路線をしっかりかみしめていただけるんじゃないかと期待しています」と述べた。(伊藤和行)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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