教皇、広島でアドリブ カトリック関係者が明かす舞台裏

 「太っていると言われたら、やせている方が不健康でかっこわるいと言い返してやればいいのです」

 いじめに悩む若者に向けた直球のアドバイス、実は11月に来日したローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇のものだ。来日3日目に東京都内で開かれた「青年との集い」で、気さくな一面を見せた。

 出身国アルゼンチンのなまりが入ったスペイン語で、信徒らに語りかけるように話したのが印象的だった。「私の話は退屈ですか? もうすぐ終わりますから」とジョークも飛び出し、静かだった会場から笑いが起きた。

 教皇の似顔絵がデザインされた水色とピンクの法被をプレゼントされると、その場で羽織ってみせ、聴衆の心をがっちりつかんだ。

 そんな教皇だが、前日に訪れた被爆地では、手元の原稿を丁寧に読み上げることにほぼ終始していた。長崎では日本が批准していない核兵器禁止条約に言及し、広島では米国の核の傘に頼る日本を暗に批判したが、名指しは避けた。政治的配慮もあったのだろう。

 ただ、広島での約13分間のスピーチを聞いていたとき、「おや」と思う瞬間があった。「戦争目的の原子力の使用は倫理に反します」と述べた後の発言だ。

 「同じように、核兵器の保有も…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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