教職員が濃厚接触者の検体を採取 県は「不適切」と判断

 生徒の新型コロナウイルスの感染が確認された茨城県内の学校で、教職員が校内の濃厚接触者の検体を採取していたことがわかった。感染リスクを考慮して通常は医療機関などが担うが、保健所は人員不足などから、学校側に採取を依頼した。県は複数の保健所でも同様の事例を確認した。

 県関係者によると、1月下旬に生徒の感染を確認。保健所は、検体採取の方法を同校の代表者に伝え、教職員らが濃厚接触者の唾液(だえき)を採取した。

 県によると、綿棒で鼻の粘液を採取する場合は、医療行為として医療従事者が担う。だが、唾液の採取は医療行為に該当せず、医療従事者以外が行っても問題ないという。

 ただ、県は濃厚接触者の検体採取は感染リスクが高く、医療従事者以外が担うのは「不適切」と判断。さらに、県内の保健所が医療従事者以外に濃厚接触者の検体採取を依頼した事例が複数確認されたという。

 県は、クラスター(感染者集団)発生が疑われる場所の濃厚接触者の検体採取は、医療機関や保健所が担うよう、1日に通知した。

 同校で感染者が確認された1月下旬は、新規感染者が23日に過去2番目の多さとなる132人が確認されるなど感染が拡大し、事業所や福祉施設などで大規模なクラスターが相次いでいた。保健所も濃厚接触者の追跡などで業務が逼迫(ひっぱく)しており、県疾病対策課は「人員が不足していたので、理解を得た上で採取をお願いした。対応が適切でなかった」と話している。


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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