教育格差なくす国際機関を 高校生、G20外相に提言

 世界中の子どもが小学校に通うには1800万人の教員が不足している――。主要20カ国・地域(G20)外相会合で23日、愛知県内の高校生12人が教育格差についての提言を発表した。G20メンバー国と招待国の計29カ国の外相が提言を聞き、拍手を送った。

 提言をまとめたのは、県立時習館高(豊橋市)、名古屋大教育学部付属高(名古屋市千種区)、名古屋市立名東高(同市名東区)、私立中部大春日丘高(春日井市)の生徒12人。8月から議論を重ねて各校ごとに原稿を書き、名東高の案をもとに提言を作成。各校の代表4人が交互に読み上げ、12人全員で茂木敏充外相に提言書を手渡した。

 「教育格差が様々な格差に結びついている」。各国外相を前に、時習館高2年の伊東克洋さんが問題提起。名大付高2年の石川陽(あきら)さんが「先進国、途上国ともに教育格差はある」と指摘した。

 ユネスコの調査結果では、世界中の全ての子どもが小学校に通うには、約1800万人の教員が足りないという。このため、十分な教育の質が担保されないなどの問題が心配される。

 中部大春日丘高2年の村井健さんは、こうした問題の解決策として「遠隔授業」と「教育支援の情報共有」を提案。名東高2年の大野舞夕(まゆう)さんが、これらの対策に取り組む国際機関の設置を呼びかけ、「教育格差をなくせたらたくさんの課題解決につながる」と訴えた。

 提言書を受け取った茂木外相は「若者らしい斬新な提言だ。各国の外相から高い評価を得られたと思う」と述べた。海外で10年以上暮らし、提言を英訳した村井さんは「生まれた所で、受けられる教育まで変わるのは不平等。提言を考えるにあたり、世界の教育を学んだ経験を今後に生かしたい」と話した。(江向彩也夏)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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