文大統領、疑惑男を法相にごり押し 大統領権限で任命強行へ(スポニチアネックス)

 韓国・文在寅大統領の側近で、さまざまなスキャンダルが取り沙汰され「タマネギ男」と批判される法相候補のチョ・グク氏(54)に対する国会人事聴聞会が2日、延期された。

 文氏は聴聞会開催の有無にかかわらず、チョ氏を法相に就任させたい考えで、韓国のお盆にあたる12日までに強行するとの見方が強まっている。ごり押しとなれば、国内の反発が強まるのは必至だ。

 チョ氏は聴聞会延期決定後の2日午後に会見。娘の大学への不正入学疑惑などについて関与を否定した上で「若い世代に失望と傷を与えた」と謝罪。文政権が提唱する検察改革実現に向け「どんな政権になっても戻ることのない改革を行うと約束する」と述べ、法相就任へ意欲を示した。

 チョ氏は娘の不正入学疑惑のほか、家族ぐるみの不透明な投資や資産隠し疑惑も浮上。聴聞会の延期は、聴聞会へ家族を証人として呼ぶことを求めた野党と、呼ぶ必要なしとした与党と折り合いがつかなかったことが原因だ。

 2日発表の世論調査では、文氏の支持率は46・5%と前週に比べ0・3ポイント増加。ただ、この日のチョ氏の会見で風向きが変わる可能性もある。

 チョ氏の娘は高校時代に大学の医学部の研究所で2週間、インターンをしただけで研究論文の筆頭著者として名を連ね、この論文を利用して名門大に入学したことが発覚。チョ氏は「娘が驚くほど熱心に実験に取り組んだようだ。英語が上手なので成果を英語で整理する時に貢献度が高くて評価されたようだ」などと説明。大学院では成績不振で留年したにもかかわらず、奨学金を受領したことに「(大学の公的なものではなく)教授の個人的な奨学金。落第し落ち込み、退学を考えていた娘を励ますために支給されました」と語った。

 7時間以上続いた会見で韓国国民は納得できたのか。今後のチョ氏への対応次第では、文政権の足元を揺るがす事態になるかもしれない。

 ≪人事聴聞会とは≫韓国の人事聴聞会は、2000年に米国上院の制度を参考に導入された。閣僚や検察長官などに指名された候補者が、適格かどうかを見極めるため候補者の専門性、財務事情、学歴や経歴、人格などについて質疑が行われる。テレビで生中継されることもある。聴聞会が、候補者の辞退を決めたりするものではなく、儀式的な色合いも強い。聴聞会を経て閣僚として適格か国会で議決されるが、不適格と判断されても、大統領の権限でその人物を任命することが可能だ。

【関連記事】


Source : 国内 – Yahoo!ニュース

Japonologie:
Leave a Comment