文科省、旧統一教会を「指定宗教法人」に指定へ 財産の監視強化

 文部科学省は、解散命令請求された宗教法人の財産流出を抑止するために制定された特例法に基づき、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を同法の対象に指定する方向で調整に入った。関係者によると、同省は指定に向け、弁明を求める通知書を教団に送付。回答期限は3月上旬とした。この回答と宗教法人審議会の意見を踏まえ、指定を最終決定する。

 特例法は、超党派の議員立法で昨年12月に3年間の期限付きで成立。所轄庁(文科相など)が法令違反を理由に解散命令を請求し、被害者が数十人程度▽財産処分の把握などが必要――といった条件を満たす宗教法人について、「指定宗教法人」または「特別指定宗教法人」に指定することにより、財産処分の監視強化が可能になった。

 例えば、指定宗教法人では①不動産の処分などは1カ月前までに所轄庁に通知②四半期ごとに財産目録などの写しを所轄庁に提出――といった義務が課される。通知なしに財産を処分すれば法的に無効になる。特別指定宗教法人ではそれに加えて、被害者が法人の財産目録などの写しの閲覧を請求できる。文科省は今回、指定宗教法人への指定を視野に入れている。

 文科省は昨年10月、旧統一教会への解散命令を請求。今月22日には国と教団双方の主張を聞く「審問」が東京地裁で初めて開かれる予定だが、裁判所が解散命令の可否を決定するまで長期間かかる見込み。それまでの間に被害救済の原資になる教団の財産が流出するおそれが指摘されてきた。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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